大判例

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東京地方裁判所 昭和39年(ワ)10883号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕そこで、以上の事実関係の下において、被告が別紙物件目録(三)の土地につき民法第二一三条により囲繞地通行権を有すると主張して、前記仮処分及び提訴をなすことが不法行為を構成するかどうかを考える。

一般論として、ある土地に公道に通ずる道路があつても、その通路が当該土地の普通の利用のために不十分である場合、当該土地が民法第二一〇条、第二一三条にいう「公路ニ通セサル土地」に当るかどうかということは、相当困難な法律問題であつて、積極、消極共に十分議論しうることである。殊にその通路が前記の如き行政取締法規の要求する巾員を充さないため、当該土地上の建物につき建築確認が得られない場合はなおさらである。更に、具体的事案において囲繞地通行権の有無を決定するためには、前記一般論のみにては足らず、通行権を認めることによつて生ずる当該土地及び囲繞地の社会的利用価値の増減を具体的に検討して定めなければならない。したがつて、本件事案に類似する幾多の下級審判例、あるいは最高裁判所判例(例えば昭和三四年(オ)第一一三二号、最高民集第一六巻三号五五六頁)も本件事案の判断の基準とするには十分とはいえない。このように考えると被告が仮処分及び本案訴訟において、仮に別紙物件目録(三)の土地について通行権設定を目的とする使用賃借を主張したことが故意若しくは過失に基いたとしても、右囲繞地通行権の主張については、これを主張することにつき相当の理由があつたと認められるから、仮処分及び本案提起並びにその訴訟行為は全体として何ら違法性はないものといわねばならない。(西山 要)

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